2009年8月22日土曜日

鮫の鯨の【八戸太郎】

サメのクジラの八戸太郎と言っても、
他所の地方の方々には、さっぱりチンプンカンプンであろう。

ここで説明せねばなるまい。

サメ(鮫)とは、軟骨魚綱板鰓亜綱に属する獰猛だったりそーでなかったりする魚ではなく、八戸市の端っこに位置する小さな港町「鮫」のことである。
八戸では古くからの漁師町である湊町・白銀・鮫町を総称して「橋向こう」と呼ぶ。
ここでいう「橋」とは湊町の柳橋であり、その橋を越えて(新井田川を越えて)沿岸部に入った途端に、住人の威勢は上がり一気に漁師及び五十集(いさば)の豪快な気質になるとされているのである。
そんな「橋向こう」にあって、鮫町の住人は比較的オットリしていてノン気なのが特徴だ。
また鮫町と言えばウミネコの大規模繁殖地:蕪島があることでも、全国的に有名である。


こういった↑のどかで牧歌的な漁業風景が今もみられる鮫町。


ようするに「鮫の鯨の八戸太郎」とは
「鮫町におわす八戸太郎という名前のクジラ」なのである。

八戸太郎は、古くは鮫浦太郎と呼ばれていたのだけれど、いまは「八戸」と改姓し公式にも「八戸太郎」と呼称するのが通例となっているようなので以下、八戸太郎とする。

さて、この八戸太郎さんを、はたして妖怪と呼んでしまっていいのか?
それとも海神なのか?
たんなる気のいいクジラなのか?

掛けて縺れた謎を解くべく、
八戸不思議捜査官(通称X-ファイル八戸と呼ばれているとかいないとか)は八戸太郎が“安置”されている西宮神社へ急行した!

ウミネコの執拗な爆撃を辛うじてかわしつつ蕪島エリアを抜け、
八戸市水産科学館マリエントを越え、
青森県立海洋学院の脇に、絵に描いたような畦道がある。
それを進み入ると、想像以上にこぢんまりとした西宮神社がある。



西宮神社と言えば、
恵比寿様の総本社である兵庫県の西宮神社が有名であろう。
そんなワケで、ここ鮫町の西宮神社にも、
しっかりと恵比寿様が奉られている。
しかもこの界隈は恵比寿浜と呼ばれているのである。
すぐそばの蕪嶋神社には弁財天が奉られ、
蕪島から見える「七福の岩」にはソレゾレ七福神が宿ると言わている。


そんなこんなで鮫駅前通りの花壇には七福神が立ち並ぶ始末だ。

ここまで七福神が“濃い”地域も珍しいのではないだろうか?
このへんも八戸の不思議として、今後の捜査対象になりそうである。
なんにしても、
この界隈は、なにかとオメデタイ土地柄なのかもしれない。

愛鯨家でヱビスビール愛飲家で、鮫で生まれ育ったオメデタイ性格の捜査官には堪えられない場所なのだ。




西宮神社の入り口に設置された石碑にはこう記されている…

鯨石
昔鮫の沖に、毎年姿を現す鯨がおりました。
その時は浜で鰯の大漁が續きましたので「八戸太郎」と名付けられ海の神様のお使いとして崇められていました。
その鯨が熊野灘で銛を打たれ、ようやく鮫の海岸にたどり付き、息絶えて、そのまま石になったと語りつたえられています。それが神社の前に横たわる鯨石です。

そーなのだ。
八戸太郎は“石”になって、
いままさにココ↓にいるのである。


ココから絶えず鮫浦を、そして大海を見続けているのである。

この海を見守っているのか?
ニンゲンに汚された海を憂えているのか?

石になった八戸太郎よ、なに思う?


↑太郎目線で海を臨む!
手前の岩の下にある朽ちた人形がとても怖かった…メソメソ


次回は八戸不思議分析官の協力を得て、
いよいよ八戸太郎の謎に迫る。

まて次回


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